避妊・去勢手術のメリット・デメリット

いろいろと抵抗や不安のある避妊・去勢手術ですが、わんちゃん、ねこちゃんへの負担はそれほど大きくありません。
子供を生ませるつもりが無い場合は、当院では避妊・去勢手術をお勧めしています。

★ メリット
犬
犬(♂)
前立腺(ぜんりつせん)の病気※1、精巣の腫瘍(しゅよう)※2会陰(えいん)ヘルニア※3、肛門周囲腺腫※4の予防。
犬(♀)
発情期の出血をなくす。子宮蓄膿(ちくのう)※5、卵巣腫瘍※6の予防。乳腺腫瘍※7の発生率の低下(特に、最初の生理前)。望まれない妊娠を防ぐ。
猫
猫(♂)
精巣の腫瘍化の予防。行動範囲が狭まり、ケンカによるケガが減る。スプレー行動の抑制。
猫(♀)
発情期の鳴き声をなくす。子宮蓄膿症、卵巣腫瘍の予防。望まれない妊娠を防ぐ。
★ デメリット
太りやすくなる。
問題行動がなくなるとは限らない。

子供を生ませることは大変だけれど、本当に楽しいものです。
子供の情操教育のためばかりでなく、かわいい愛犬愛猫の子供をひとめ見てみたいと思う飼主さんはたくさんいらっしゃいますし、それは当然のことです。

しかし、子供を生ませる気は無いけれど、手術は痛いからかわいそう、自然のままが一番いい、といつまでも生殖器を放っておくと、高齢期には、ホルモンの分泌異常や、生殖器そのものが病変となり、全身に悪影響を及ぼしていきます。

使わない生殖器を置いたまま、繁殖行動をしたいはずなのに子供は望んでいないからと我慢させ、発情期のストレスを与え続けることは、「自然」とはいえないと考えます。
ましてや、望まない妊娠をさせた上に子犬(子猫)が増えるのは困るからと処分してしまうようなことになってしまうと、なおさらかわいそうです。

また、手術をためらい、病気が出てから、あるいは年をとってからになってしまうと、当然健康な時よりも手術のリスクは高くなります。
ぜひ、健康なうちに手術を考えてあげてください。
早めの避妊・去勢手術をすることで、後々の病気が予防できるので、ペットの寿命を延ばすことにもつながります。

去勢手術は日帰り避妊手術でも1泊(お家で看護ができる場合は日帰りでも可)ですむ手術です。(当院の場合)

避妊・去勢手術は、急ぐ必要はありません。
かかりつけの獣医師とよく相談して、術前術後のこと、メリットやデメリットなど十分納得してから決めるのが一番良いでしょう。
※1 前立腺の病気
雄犬は高齢期に入ると、前立腺が肥大して排尿や排便がしづらくなったり、前立腺が腫瘍化したりします。
※2 精巣の腫瘍化
去勢せず精巣をそのままにしておくと、ホルモンの分泌異常が起こり精巣自体が腫瘍化することがあります。
※3 会陰ヘルニア
ホルモンの影響でおしりの周りの筋肉が薄くなって開き、そこから腹膜や腸などが出てきてしまう病気です。
※4 肛門周囲腺腫
肛門のまわりにある分泌腺(においをだす腺)が肥大して腫瘍化します。
※5 子宮蓄膿症
高齢期に入ったメスに多い病気で、子宮の中に膿がたまってしまいます。放置すると命にかかわります。
※6 卵巣腫瘍
精巣の腫瘍化と同じように、ホルモン異常によって卵巣も腫瘍になってしまうことがあります。
※7 乳腺腫瘍
乳腺の腫瘍で、50%が良性 ・50%が悪性と言われています。悪性の場合、肺やリンパ節に転移するので切除手術が必要です。