
犬の股関節形成不全は、よくみられる遺伝性の整形外科疾患です。
犬種によっては50%以上の犬が罹患しています。
将来的に、痛みや関節の硬直をともなう股関節炎を引き起こし、生活の質を低下させます。
小型犬よりも大型犬により深刻な影響を与えます。
薬によっても手術によっても、完璧な治癒は見込めません。
PennHIPはペンシルバニア大学獣医学部のゲイル・スミス博士により考案、開発された股関節スクリーニング検査です。この検査は、生後16週令から股関節形成不全に罹りやすい犬を見つけ出すことが可能です。2歳以上にならないと診断が下せない他のスクリーニング法と比べて、明らかな利点があります。
PennHIPの際立った点は、その特殊な撮影法にあります。特別な股関節伸展器具を装着し、股関節の緩みの最大値を計測します。股関節の緩みとは、筋肉が十分に弛緩した状態の時、股関節の受け口と大腿骨の頭との緩み具合のことを言います。この十分な筋肉の弛緩した状態を得るためには、鎮静あるいは全身麻酔が必要です。
PennHIP法では、1)従来と同じ股関節伸延像、2)圧迫像、3)伸展像の3種類のレントゲン写真を撮影します。
動物整形外科財団(OFA)が実施している、従来の股関節伸延像のみによる股関節評価は、すでに股関節炎が起こっている場合、それを発見することは正確にできますが、関節炎がまだ存在しない場合、正常な犬と発症予備軍を区別することができません。

PennHIPの3枚のレントゲン写真はPennHIP分析センターの専門家によって診断されます。
レントゲン写真はPennHIP認定獣医師の撮影した物でなければなりません。
3週間ほどで次の3点についての股関節評価報告書が届きます。
- Distraction Index (DI)という数値で示された股関節の緩み具合
- その犬種の中での股関節に関するランキング(20頭以上のデータベースがある場合)
- 股関節炎がすでに存在するかどうか
DIは、受動的な股関節の緩みの尺度で、0から1の間の数値で表されます。
0に近いDIは、緩みの無い非常に締まった股関節を表します。
1に近いDIは、緩みの大きいルーズな股関節を表します。
締まった股関節を持つ犬は、緩い股関節を持つ犬よりも股関節炎を起こしにくいと言われています。
犬を飼う目的が、繁殖犬、使役犬、家庭犬のいずれであっても、早期から股関節の評価を受けることは大変貴重な事です。

PennHIPのデータベースに基づいた情報を元に、同じ種の他の犬と比べて、股関節に主眼を置いた育種選抜ができます。
この選抜は、他の望ましい素質を犠牲にしなくても行うことができます。

股関節炎を起こしやすいかどうかを把握しておくことによって、将来起こり得る痛みや、病気の進行を最小限にするためのライフスタイルを計画することができます。
詳しくはPennHIPウェブサイト
www.vet.upenn.edu/pennhip
あるいは直接当院まで
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